AWSの導入のメリット
スプラシアの鈴木です。
今回はAWSを導入することで実際に感じたメリットなどについてまとめてみました。
今後AWSの導入を検討されている方の参考になれば幸いです。
サーバーを物理的に管理する必要がなくなった
メリットの1点目は表題の通り、サーバーを物理的に管理する必要がなくなったことです。AWSを導入する前は都内のデータセンターのサーバーラックを借りて、そこでサーバーを運用していました。基本的に操作は社内からリモート操作でアクセスをするのですが、サーバー本体に何か問題が発生してアクセスができなくなってしまう時があります。その場合は会社から電車を乗り継いでデータセンターまで移動し、細かい入退室管理の申請を通した後でようやくモニターやキーボードを接続して原因を調査、原因が分からない時は再起動を試してみるなど、とても時間がかかる運用をしていました。サーバー内部の問題以外にも、サーバーの老朽化などが原因になる可能性もあり、サーバーやパーツを買い替えるなどのメンテナンスも必要になります。
AWSではコンソール上でクラウド環境にサーバーを構築することができ、内部で問題が発生してアクセス不能になってしまった場合でもコンソール上から簡単に再起動することが可能です。また、仮想サーバーのため老朽化によるサーバーを買い替える、などのメンテナンスも不要になります。(ただし、仮想サーバーを動かしているAWSの物理サーバーの老朽化により、仮想サーバーのメンテナンスを求められる時はたまにあります)
💡物理的なメンテナンス作業が不要になりデータセンターまで足を運ばなくても良くなった
OSやスペックが異なる新規サーバーの構築が容易になった
2点目は異なるOSやスペックのサーバーの準備が容易になった点です。
弊社では基本的にAmason Linux関連のOSを利用しているのですが、たまにWindowsOSでの動作検証などでWindowsサーバーが必要になることがあります。そのような時はAWSコンソール上からWindowsサーバーを簡単に用意することができるようになりました。以前はデータセンターに置いていたWindowsのOSから利用できるものを選定し、既存のシステムに影響が出ない範囲で利用することに気を付けていましたので、そのあたりを気にせずに済むようになったことは大きなメリットになります。
また、負荷検証のためにスペックが高いサーバーを用意したかったり、ミドルウェアが異なるサーバーを用意したりする時も同様に楽にサーバーを用意することができるのでとても助かっています。
💡サーバーを準備する事が容易になった結果、下記のような場面に遭遇しても問題なく対応できます
・異なるOSのサーバーを用意する
・負荷検証のためにスペックの高いサーバーを用意する
・同じサーバーでミドルウェアだけ異なるサーバーで検証する
セキュリティの向上
AWSの導入によりセキュリティの面でも大きなメリットが得られました。
自社運用の場合はWAFも自前で用意をし、サーバーとLANケーブルでの接続だったりWAFの設定だったりと膨大な作業を自身で行う必要がありました。
AWSではそのようなセキュリティ対策も簡単に設定ができ、侵入検知、改ざん検知、IPによるアクセス制限などからSQLインジェクションなど複数のレイヤーでより安全にサービスを運用することが可能です。WAFの設定などもAWSのテンプレートで用意されている危険性の高いものを一括で設定でき、セキュリティのポリシーも新しいものが増えた場合でも比較的容易にできるので、セキュリティ品質の向上と作業時間の削減は大きなメリットとなりました。
💡WAFなどのセキュリティの導入を簡単に実装でき、セキュリティポリシーも常に最新のものを導入することができる。
その他AWS導入のメリット
今回ご紹介させて頂いた内容以外にも様々なメリットがあります。例えばAWSではサーバー以外にも多種多様な機能が備わっています。その中でも得に弊社で利用しているサービスは下記の通りです。
・Route53(DNS管理サービス)
・RDS(データベース)
・Application Load Balancer(ロードバランサー)
・Sinple Storage Service(ストレージサービス)
・Certificate Manager(SSL証明書管理サービス)
これらの機能は、今までは自前で用意したデータセンターのサーバーで構築・メンテナンスをしたり、SSLに関しては外部サービスで購入したものをサーバーに設定するような作業をしていました。
今は上記のAWS側が管理してくれるサービス(マネージドサービス)を利用することで、弊社側では機能部分だけを利用し、それが動いているサーバーなどの管理からは解放されました。
また、これらのサービスを一括してテンプレート化して一式丸ごと構築することも可能なので、環境構築にかかる時間が少なくなったことも大きなメリットになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
AWSは自前で全てを用意するよりも多少原価のコストは大きくなってしまうかもしれませんが、オンプレミスで運用する人件費が削減されることを考えると、結果としてランニングコストも下げられる可能性がとても高いです。
オンプレミスからクラウドへの移行作業は色々と大変なことも沢山あり、私自身もかなり苦労しましたが今はAWSに移行してとてもよかったと感じております。以前の私のようにオンプレミス環境でのサーバー運用で頭を悩ませている方にとって少しでもAWS導入のメリットとして参考にして頂ければ幸いです。